<新型コロナ>第3波と言っていい…県医師会会長インタビュー、自分が「他人にうつさない」認識重要
埼玉県医師会の金井忠男会長(76)は、埼玉新聞社などのインタビューに応じ、全国的に広がる新型コロナウイルスの現況について「第3波と言っていい」との認識を示した。その上で「自分が既に陽性者かもしれないと意識し、他人にうつさないという認識を持つことが重要」と強調し、県民一人一人が感染拡大防止に向け、高い意識を持つ必要性を呼び掛けた。
―現在の状況について。
「やはり『第3波』と言っていいのではないか。第1波の時は何も知見が得られておらず、恐怖感が強まっていたのは事実。重症者も多かった。検査体制もしっかりしておらず、陽性率も極めて高かった。第2波は、感染力が高く、若い人に強烈に広がった。40歳未満の若年者が70%以上という時も7月初めにはあった。今度の第3波では少し形が変わったのではないかと思われる。年代もバラバラで40、50代も増えている。県内の重症者も2桁の10人を超えた。患者数を見ると、危険な状況になっている。クラスター(感染者集団)対策については行政も対策しているが、非常に大事。対策より、発生予防を頑張らなければならない」。
―インフルエンザとの同時流行について。
「インフルとの同時流行に備え、県医師会は7月末から取り組んでいる。新型コロナ感染症とインフルの両方の診療・検査を身近な診療機関が行う県指定診療・検査医療機関には、11月14日までに1051医療機関から申請があった。12月1日には県ホームページで公表する。全てを公表するのは埼玉県と高知県のみ。公表することで、患者にとって便利になる。常日頃行く医療機関が診て、検査もしてくれる。いわゆるワンストップとなれば、県民にとって一番いい」。
―感染防止対策が緩んでいるとの指摘もある。
「緩んでいるというよりも、現在の市中感染が広がる状況においては、前よりも感染防止対策を厳しくしなければならないということだ。感染症学会などでよく言われることは、防御するよりも、うつさない、ということ。食べるとき以外はマスクを着けるとか。皆さんは『自分がうつらない』という考えが強い。ただ、自分が既に陽性者かもしれないという意識を持ち『他人にうつさない』という認識を持つことの方が重要だ」。