埼玉の「高校共学化」のポイント解説、苦情の根拠とは 隣県の群馬、進む共学化…「少子化で学校維持が難しく共学化しているのが実情」 市民団体が勉強会 苦情処理委の勧告が求める事「共学化せず実現できるのでは」との意見も
2024/02/05/10:55
埼玉県立男女別学高校の「共学化」議論を巡って、市民団体「共学ネット・さいたま」(清水はるみ代表)は3日、さいたま市中央区のWith You さいたま(県男女共同参画推進センター)で、共学化推進に向けたワークショップを開催した。
ワークショップには約50人が参加。同団体世話人の亀田温子氏と群馬県の市民団体「ぐんま公立高校男女共学を実現する会」の坂本祐子代表が講師として、議論の発端となった県男女共同参画苦情処理委員による昨年8月の「勧告」や、群馬県など他県の共学化の状況について解説した。
亀田氏は勧告の要点として、苦情の根拠にもなった国連の「女子差別撤廃条約」を挙げ、同条約について「あらゆる領域をジェンダー平等にするという考え方だ」と説明。男子校について「(女子が受験の)入り口にも入れない。学校自体がジェンダー平等ではない」と主張した。
また、坂本氏は群馬県の共学化について「進んでいる」とした上で「少子化のあおりを受けて、学校を維持していくことが難しいために共学化しているのが実情だ」として、ジェンダー平等の観点からの共学化が進んでいない現状を指摘した。
参加者の男性は「勧告書を読むまで(別学の)管理職にここまで性差があると知らなかった」と話していた。また、別の女性参加者は「(中学生のころ)男性の友達が多かったが、みんな男子校に行って自分だけ行けなかった。友達関係が中断されてしまった」という体験を語った。
一方、勧告が求める内容について「共学化しなくても実現できるのではないか」という意見もあった。
共学化に関して、県教育局は別学関係者に対する意見聴取を進めている。同日には、熊谷女子高校で在校生保護者、後援会、同窓会の意見を聞いた。