埼玉新聞

 

<新型コロナ>マスクや消毒液など購入できず困った…63% 県の満足度調査、回答の8割が医療体制の強化

  • 埼玉県庁=さいたま市浦和区高砂

 埼玉県が定例で行う「県民満足度調査」で、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言中(4月7日~5月25日)、マスクや消毒液などが購入できずに困ったと回答した人が、63%に上っていたことが分かった。今後、県が取り組むべき対策を尋ねる質問では「医療体制の強化」が回答の約8割を占め、医療体制の充実を望む声が強い実態が浮き彫りになった。県政を14分野に分けた全体の平均満足度は55・3%。

 調査は2007年から毎年行われ、20年度で14回目。今回は7月10日から8月3日にかけ、県内の18歳以上の5千人を対象に郵送、インターネットで行われ、2519人(50・4%)から回答があった。

 例年の質問とは別に、今回は新型コロナウイルスに関する質問を設けた。緊急事態宣言中に困ったことを尋ねる質問(回答は三つまで)では「マスクや消毒液など必要な物資が購入できなかった」が最も多い63・3%。他は「自分や家族が感染し、生命の危険にさらされる不安があった」(39・3%)、「感染しないか不安だが日用品購入などで外出しなければならなかった」(32・6%)、「ずっと家にいることで過度のストレスがたまった」(29・4%)。

 宣言解除後に取り組むべき対策を問う質問では「医療体制整備」が最も高い78%。「検査体制強化」(59%)、「マスク、消毒液などの物資の確保」(26・6%)の順。

 県政を14分野に分けた質問のうち、満足度が最も高かった分野は「豊かな自然と共生する社会を作る」で69・4%。不満が最も多かった分野は「医療の安心を提供する」で31・3%だった。

 県計画調査課によると、CSF(豚熱)発生や台風19号、新型コロナウイルス感染症が相次いだことから、命や暮らしに関わる項目に多く関心が寄せられた。調査結果の詳細は県のホームページで公開している。

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