消防士ら体の限界競う 酸素ボンベなど計30キロの装備を背負い階段300段を駆け上るレース 川口で白熱
2019/03/11/00:00
第12回階段駆け上がりレース川口大会(STAIR RACE)が9日、川口市の川口リリアで開催され、全国の消防士や消防団員ら247人が参加した。消防士は酸素ボンベなど普段の装備と、さらに20メートルのホース2本の計30キロの重荷を背負って階段300段を駆け上った。
男子消防の総合優勝はさいたま市消防局の岡田昌平さん(29)、2位は川口市消防局の高橋秀行さん(27)、3位は岡山市消防局の中村哲さん(33)。30歳未満男子消防では1位と2位は総合と同じ、3位に川口消防局の原惇さん(28)が入った。
大会は日本警察消防スポーツ連盟と川口市消防局の共催。レース終了式の会場で同消防局の小倉務局長は「自分の身体の限界を目指す競技。人を助ける気持ちの強さが表れる競技だ。ファイヤーマンとしての誇りを体に刻んでいる人の競技。埼玉の消防士の活躍は大変うれしい」と語った。
県南西部消防(朝霞、新座、志木、和光市)の大井凡さん(42)=和光消防署=はレース前に「初めてのレース。完走できるか不安だ」と話していたが完走。「何とか完走できて、達成感を感じる。途中からは歩きで、階段の数を数えながらでつらかった」と振り返った。
レースは2001年9月11日の米中枢同時テロで殉職したニューヨーク市消防局の消防官343人への追悼と鎮魂の思いを込めて開催されている。日本では07年に第1回が福岡市で開催され、その後各地で行われ今回で12回目。全国から消防士や消防団員らが参加している。
小倉さんは「消防職員は災害に立ち向かい、市民の最後のとりでとして負託に応えなければならない。強靭(きょうじん)な精神力と体力を維持するために有意義な大会だ」と話している。