<新型コロナ>営業時間の短縮、埼玉県が要請へ 大宮・南銀など繁華街に限定 年末年始前に感染拡大防止を
埼玉県は30日、感染症専門家会議を開き、繁華街のある地域に限定し、酒類を出す飲食店やカラオケ店に対し、営業時間の短縮を要請する方針を確認した。1日の県新型コロナウイルス対策本部会議で正式決定する。大野元裕知事は「医療提供体制が脆弱(ぜいじゃく)になる年末年始の前に、(新規感染者を)しっかり減らしておくことが大切」と述べ、2週間前後とされる潜伏期間を見込み、年末年始以前に感染拡大防止に取り組む考えを示した。
県関係者によると対象地域は繁華街として知られる「南銀」地区のあるさいたま市大宮区ほか川口市、越谷市に限定。酒を提供する店などに対し、12月4日から同17日まで、営業時間を午後10時までとするよう要請する。要請に応じた店には協力金の支給を検討し、関連予算案を2日、現在開会中の12月定例会に提案、採決される見通し。
国の分科会は11月25日、感染者が急増する地域では飲食店の営業時間短縮を都道府県が早急に検討するよう求める提言をまとめている。東京都は11月28日~12月17日、営業時間を午後10時までとするよう要請したほか、北海道、茨城、愛知県、大阪府もこれまでに区域を限定した営業短縮要請を発表している。
知事はこれまで「われわれが戦術的に介入することで新規感染者を減らすことができる対象を定める」とし、まずは重症化しやすい高齢者の感染防止、高齢者施設でのクラスター発生防止に優先して取り組む県の方針を発表している。
今回の時短要請について、知事は30日午後、記者団の取材に、高齢者施設の対応を現在の最優先課題としつつ「これ以上陽性者が増える時には、それ以上のお願いをすることがある。そのプラスアルファの部分」と説明。会議後には「協力店舗数は登録している飲食店の7割ぐらいになるだろう。東京と同じ基準で(時短要請を)やれば効果が高いと思う」と話した。
川崎市健康安全研究所所長で同会議の岡部信彦委員は、時短要請について会議後の取材に「(効果を裏付ける)データはないが、放っておいていい状態ではない」とした。