<新型コロナ>口コミで広がる「手洗い30秒タイマー」 さいたま、上尾、桶川の学校・幼稚園などに設置
1897年創業の金属塗装加工業の豊工業(埼玉県さいたま市中央区)と、2016年設立のウェブ・映像などのデザイン制作会社・シャイニー(同市浦和区)は1日から、事業連携により、新型コロナ対策用の新商品「しっかり手洗い30秒タイマー」を発売した。
タイマーは新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言が発令された4月中ごろ、豊工業の豊島宏尚社長(50)がコロナの予防対策として、社員に手洗いを励行するために考案した。時計の秒針をヒントに文字盤を6色に分け、30秒ごとに同じ色を配色。タイマーを見ながら手洗いをしっかり30秒間行ってもらうように工夫した。また時計の部品を使って製作し、単3電池1本で動く手軽で簡単な作りになっている。
タイマーは、大人数が同時にいつでも触れずに使えるため衛生的にも安心。常に動いていることから手洗い時にセットする手間がなく、子どもで分かりやすいのが特長という。
製作までの経緯は、豊島社長が異業種勉強会で20年来の友人であるシャイニーの北山修之社長(48)に相談。北山社長はすぐに賛同し、豊工業の社員から「小さい子どもでも分かるように、色分けした文字盤にイラストを入れたい」という要望に、「ウサギやネコなど6種類の動物イラストを配置して、秒針が同じ動物のところに行くまで手を洗うようにしてもらったらどうか」などアドバイス。イラストや商品チラシのデザイン・印刷などをシャイニーが担当して共同で商品化を目指し、5月に特許を出願した。
大小2種類を480個ずつ製造して、子どもたちに手洗いの習慣を根付かせようと、豊工業鷲宮工場がある久喜市、シャイニー上尾工場がある上尾市、隣接の桶川市、さいたま市の一部の小中学校約70校に寄贈した。口コミで保育園や幼稚園にも進呈した。
豊島、北山両社長は「異業種の連携に加え、コロナがあったから誕生した商品。時代に合った、社会に役立つ商品やサービスをこれからも提供していきたい」と話した。
問い合わせは、シャイニー(電話048・789・6201)へ。