埼玉新聞

 

<新型コロナ>感染した受験生を救済 来年春の県公立高校入試、特例の追試験を実施 県教委が方針

  • 感染した受験生に追試験

 来年春に実施される2021年度の埼玉県公立高校入試で、県教育委員会が新型コロナウイルスに感染した受験生に対し、従来の追試験に加え特例の追試験を実施する方針であることが4日、開会中の12月県議会の一般質問で明らかになった。高田直芳県教育長は答弁で、「(高校入試は)受験生にとって3年間の学習の集大成」とその重要性を強調。生徒が感染したり、感染の疑いがあった場合でも、安心して試験に臨めるよう対応を進める考えを示した。

 荒木裕介議員(自民)の一般質問に対する答弁。21年度の県公立高校入試は、来年2月26日に学力検査を実施、一部の学校で3月1日に実技検査・面接を行い、同8日に合格者が発表される。学力検査当日にインフルエンザなどで体調不良となった受験生を対象に、3月3日に追試験が行われることになっている。

 県教育局高校教育指導課によると、新型コロナウイルスに感染した場合、治療や健康観察期間が10日程度必要で、受験生は学力検査の5日後に行われる追試験も受験できない可能性があることから、従来の追試験に加え、学力検査の2週間程度後の3月中旬に特例の追試験を実施。感染などにより、学力検査、追試験の両方を受けられない受験生を救済する。

 特例の追試験の試験日、合格発表日などの詳細は今後、県教育局が決定し、受験生らに情報提供するとしている。また、無症状ながら家族らが感染して濃厚接触者となった受験生については、追試験の際、他の受験生との接触を避け、感染防止策が十分に講じられた会場を別途用意し、受験できるよう検討するとしている。

 同課は「生徒や保護者から不安に思う声が市町村教委を通じ教育局に寄せられている。そうした声を真摯(しんし)に受け止めたい」と話した。

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