埼玉新聞

 

50年の歴史に幕、浦和のシンボル「さいたま市民会館うらわ」 写真展開催 開館時は街中をパレード

  • 開館当時を中心に35枚の写真が展示されている=さいたま市浦和区

 来年3月31日で閉館する、埼玉県さいたま市浦和区仲町の「さいたま市民会館うらわ」で4日から、開館以来50年の足跡をたどる写真展が行われている。開館当時は「文化の殿堂」と称され、市民に愛され半世紀、感謝の気持ちを込めて企画された。来年3月28日まで、思い出あふれる写真35枚が展示されている。

 市民会館うらわは、旧浦和市の市制施行37年の1971年2月11日に「浦和市民会館」として開館した。集会室などがある高層棟は地上8階地下1階建て、ホールなどの低層棟は地上2階地下1階建てで、かつては結婚相談室を備えた結婚式場としても人気を集めたという。近年は落語家を招いた独演会やコンサート、また市民の文化活動の場として利用されてきた。

 建物や設備の老朽化で本年度での閉館が決まり、当初は記念コンサートも計画されたが、新型コロナウイルスの状況を考慮して写真展となった。

 写真は69年6月の起工式に始まり、建設中の様子や71年2月の落成記念式典など、開館当初が中心。記念式典ではチアガールとともに「祝 市民会館浦和」と掲示された車が街中をパレードする1枚も。当時の航空写真には同館以外に大きな建物がなく、浦和のシンボル的建物だったことも分かる。開催イベントの写真には、結婚式やコンサート、落語独演会など、時代とともに数々の楽しい思い出が写し出されている。

 同館は今後、浦和駅西口南高砂地区の再開発事業に伴い、2024年度中の供用開始を目指す複合施設へ移転する予定となっている。同館担当者は「閉館まで残り約3カ月。多くの市民に利用してもらい感謝の気持ちしかない。懐かしい写真が並ぶので50年の重みを今一度かみ締め、見てもらえたら」と話している。

 展示は1階ロビーで午前9時~午後9時まで。観覧無料。

 問い合わせは、同会館(電話048・822・7101)へ。

ツイート シェア シェア