ヤオコー子会社が経営指導 熊谷のスーパー、来春オープン 開業時期延びるも、既に求人行う
2020/12/19/00:00
製造業の新井機械製作所(埼玉県深谷市)が来春、熊谷市上之(かみの)に「スーパーマーケットARAI」を開設することが18日、分かった。具体的な開業時期は未定。ヤオコー(川越市)の子会社で食品スーパーを展開するエイヴイ(神奈川県)から経営指導を受けて開業する形式で、既に求人を行っている。当初はヤオコーの指導を受け2017年中の開業が予定されていたが、県などから行政指導を受けるなどして、開業時期が延びていた。
計画概要書によると、敷地面積約1万5千平方メートル、建物は鉄骨1階建て、店舗面積は約4100平方メートル。
開設地は原則、転用が認められていない農地だった。ただ従業員の3割以上を周辺農家から雇用して食品スーパーを運営することを条件に17年4月、県が農地転用を許可。新井機械が取得していた。
開業に向けて2回にわたり従業員募集を行ったが、応募がなく、運営が厳しいと判断。許可申請の代理人だった元国会議員らに相談し、ヤオコーが引き受けてくれることになり、建物完成後の18年3月、ヤオコーに転売していた。
一連の取引について県などが「転用許可内容から逸脱している」として所有権を戻すよう指導。新井機械は同年9月、土地と建物を買い戻していた。土地取引などを疑問視した県議会では百条委員会を設置し、取引などを追及。開業時期が延びていた。
県農林部は現状について「新井機械が行政関係機関と情報共有しながら、従業員の3割以上を農家から雇用した上で開業する方向と聞いている」と説明した。18日に本社で定例の記者会見を開いたヤオコーの川野澄人社長は「業務支援の個別案件。回答は控えたい」と詳細な説明を避けた。同日、新井機械も取材に「担当者不在」とした。