埼玉新聞

 

<新型コロナ>大宮市場にも大きく影響 宴会や忘年会なく、年末の特別大売り出しも嘆き節「厳しい」

  • 大宮市場内を視察する清水勇人市長(右から2人目)、渋谷佳孝市議会議長(右)ら=25日午前、さいたま市北区吉野町

 埼玉県内有数の卸売市場「大宮市場」(さいたま市北区吉野町)で、恒例の年末特別大売り出し「おいでよ大宮市場」が25日、始まった。午前8時半に開場され、30日まで6日間行われる。新型コロナウイルスの感染拡大で飲食店などが打撃を受ける中、市場関係者からも「厳しい」と嘆く声が聞かれた。

 大宮市場には、鮮魚や青果の仲卸問屋、小売店など100以上の店舗が並び、正月飾りも売られていた。例年は毎週土曜日と年末、一般客に開放。今年はマスク着用や少人数の来場など感染防止対策の徹底を呼び掛けている。初日は東日本大震災の復興支援として、宮城産ワカメを先着450人に無料配布した。

 コロナは市場にも大きく影響を及ぼしている。マグロ専門の仲卸業「第二ヤマヨ」代表の鈴木均さん(73)は「人間がいい加減なことをしたから、地球が病気になって怒ってるんだな」と語った。売り上げは最も悪い時期で前年の5分の1に下がったという。「宴会や忘年会がなくなった。全然駄目」と嘆いていた。

 青果の仲卸業「浅間」店長の丸山泰さん(38)は「飲食店などの影響で4~6割落ちている。先は全然見えない」と話す。小売りの影響は少ないが、飲食店の注文が減少しているため、生産農家はハクサイやダイコンを廃棄しているという。「生産者さんがかわいそうだ」と話した。

 この日は清水勇人市長、渋谷佳孝市議会議長らが市場内を視察し、関係者から説明を受けた。清水市長は視察後、市のプレミアム付き商品券も一部利用できるとした上で、「市場で安くておいしい食材を購入し、年末年始は外出を控えて、家で過ごしていただきたい」と呼び掛けていた。

 インターネットを見て買い物に訪れたという川口市のパート白子喜美さん(50)は、カズノコ、タラコ、コンブ、かまぼこなど正月用の食材を2~3万円購入した。「スーパーより安かった。年末年始は家でのんびり過ごしたい」と話していた。

ツイート シェア シェア