住民待望の映画館、29年ぶり秩父に ウニクス秩父に22年のオープンを予定、市長「地域が大きく変わる」
商業施設開発などを手掛けるピーアンドディコンサルティング(埼玉県さいたま市大宮区)などは25日、同社が運営する秩父市上野町のショッピングセンター「ウニクス秩父」で、シネマコンプレックス(複合映画館)を増築して建設することを発表した。秩父市から開発許可を受けた後、早ければ2021年4月ごろに工事を着工し、22年のゴールデンウイーク(GW)前のオープンを予定している。市内に映画館が整備されるのは29年ぶりとなる。
シネコンの名称は「ユナイテッド・シネマ ウニクス秩父」。7スクリーン(約750席)で、ユナイテッド・シネマ(東京都品川区)が運営する。延べ床面積は約4200平方メートル、店舗面積は約3600平方メートル、敷地面積は8660平方メートル。鉄骨造り3階建てで、総事業費は約20億円を見込む。駐車場台数は既存分を含めて760台。音楽やスポーツのライブビューイングなども実施予定で、年間で約13万人の来場者数を目指しているという。
市によると、秩父地域にはかつて複数の映画館が存在していたが、同市中町にあった映画館「秩父革進館」が1993年に閉館して以来、地域に映画館はなく、地域住民待望の映画館となる。市は昨年6月に工場誘致条例を一部改正するなど、映画館の誘致活動を積極的に推進していた。
ピーアンドディコンサルティングの溝口隆朗社長やユナイテッド・シネマの渡辺章仁社長らが25日に市役所を訪れ、久喜邦康市長にシネコンの建設を報告した。溝口社長は「映画館はお客さまアンケートでも要望が多かった。映画館を契機にウニクス秩父の利用頻度も上げていきたい」と語った。渡辺社長も「快適で居心地のよい非日常的な空間を提供し、秩父のまちを幸せにしていきたい」と話した。
久喜市長は「映画館ができれば地域の雰囲気が大きく変わる。人口減少が進む秩父地域の人口が少しでも増えればいい。市としてもできる限り応援していきたい」と話していた。