埼玉新聞

 

「ホットライン」使えなかった…児童相談所が保護の子の法律相談 埼玉弁護士会が新制度、すでに始動

  • 新制度の説明を行う尾崎康埼玉弁護士会長=6日、さいたま市浦和区

    新制度の説明を行う尾崎康埼玉弁護士会長=6日、さいたま市浦和区

  • 新制度の説明を行う尾崎康埼玉弁護士会長=6日、さいたま市浦和区

 児童相談所で一時保護などになった子どもが法律相談できる環境を整えようと、埼玉弁護士会は2月から新制度を始動させた。これまでにも子どもへの法律相談制度はホットラインとして整備されていたが、児童相談所に預けられた子どもたちは利用することができなかったことから、相談の機会をつくり子どもの権利を守ることが目的。同会によると、同様の制度は全国的に見ても珍しいという。

 同会によると、2022年度の県内の児童相談所に対する相談件数は21年度より1271件増の1万8877件で過去最多だった。件数の増加に比例する形でケースワーカーの負担増が課題となっていることなどを背景として、これまでケースワーカーなどが担っていた親権停止や親が管理していた子どもの所有物の引き渡しなどの交渉や相談を弁護士に相談できる仕組みを作ることで、児童相談業務の正常化も期待できるという。

 相談したい子どもは、ケースワーカーを通じて同会へ申し込みのファクスを送信することで弁護士へ相談することができるようになる。費用はかからない。6日に記者会見で制度の説明を行った埼玉弁護士会の尾崎康会長は「この新制度によって子どもの権利が守られて、生き生きとした生活を送ってほしい」と期待を込めた。

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