埼玉新聞

 

健康志向の高まりで人気上昇 秩父産のもち麦、販売始まる 食物繊維多く、糖尿病予防や便秘対策に期待

  • 販売を始めた秩父のもち麦。左から「だいし」「きらり」「はねうま」「ふくみ」の4銘柄

 大麦の一種である「もち麦」が埼玉県の秩父で栽培され、販売が始まった。もち麦は、もち米のようにモチモチ。食物繊維が多く含まれており、健康機能性が注目され特に糖尿病予防や便秘対策に期待が大きい。現在は秩父市内の道の駅「ちちぶ」「あらかわ」の2カ所で販売。1袋500グラムが600円、230グラムの小袋が300円。

 大麦は古くから主食だったが、戦後、白米とパン食の普及によって、ほとんど姿を消した。近年、大麦食品は糖尿病予防の「切り札」などと健康志向の高まりで脚光を浴び、人気が上昇した。

 秩父市荒川上田野の笠原宏平さん(65)が「地域おこしと健康づくりに役立つ作物を」と模索。4年前、埼玉大学特任教授だった東海林義和さん(77)のアドバイスで、「もち麦」の栽培に取り組み始めた。

 笠原さんは三男大佑さん(34)とともに遊休農地の0・5ヘクタールにもち麦を栽培、昨年約3トンを収穫できた。笠原さんによると、秩父では初めての栽培。出荷、販売しているもち麦は「だいし」「きらり」「はねうま」「ふくみ」の4銘柄。

 製品名には「秩父の」と強調した。「だいし」は黒みがかっており、やや硬く、かみ応えがあるという。弘法大師にちなむ名前。「きらり」「はねうま」は白っぽく軟らかい。「ふくみ」は一番新しい銘柄。

 食べ方は、お米1合につき、25グラム+お好み量を、お米と一緒に水に浸けておくと、おいしいという。笠原さんは「もち麦を食べて健康になってください。皆さんに食べていただき、秩父が元気になれば、うれしい」と話している。

 東海林さんは「埼玉大麦食品普及・食のモデル地域実行委員会事務局長」として、大麦の普及によって生活習慣病の予防を目指した活動に取り組んでいる。「食は健康の源、農林水産業は食の礎で地域振興の要」という考えから、健康長寿と地域を守り育てる「健康長寿食品プロジェクト」を推進している。こうした取り組みは、埼玉は先進的という。

 問い合わせは、笠原大佑さん(電話070・3769・0111)へ。

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