<新型コロナ>山田うどんは時短、ヤオコーは通常通り 緊急事態宣言の再発令、県内各店舗で対応手探り
新型コロナウイルスの感染急拡大を受け7日、埼玉を含む1都3県を対象に緊急事態宣言が再び発令された。外食店では要請に応じて午後8時までの時短営業を導入する一方、スーパーなどでは社会インフラの確保へ、通常通りの営業時間を続けるなど、感染防止と経済活動の両立に取り組む。まだ影響が読み切れない面も多く、県内各店舗でも手探りの対応が続く。
■スーパー、インフラ確保へ 巣ごもりに対応
発令期間中は家庭内で食事する人が増え繁忙が予想されるスーパー。夜間の不要不急の外出自粛も要請もある中、原則通常通りのチェーンが多い。
ヤオコー(川越市)は現時点では一部店舗を除き原則通常通り営業する。イオンリテール(千葉市)では、スーパー事業のイオンやイオンスタイルは行政からの要請がない限り時短営業は行わない。ベルク(鶴ケ島市)も通常通り営業。各社ともに住民の生活インフラ確保のための対応という。
一方、コープみらい(さいたま市南区)は時短営業を決めた。埼玉、東京、千葉のスーパーなど131店舗で安全確保を目的に8日から閉店時間を最大3時間繰り上げ、午後8時または同9時にする。夜間の外出自粛要請を受けての対応。店内の飲食エリアでは飲食は控えるように呼び掛けるという。
県内にも店舗がある小売チェーンでは、2日ごろから、生鮮品や冷凍食品などの動きが活発化。「巣ごもり消費の需要が再び高まっている」とみて、「保存食品含め在庫確保に努めたい」話す。
昨春の緊急事態宣言の際、購入が殺到したマスクや消毒液などの衛生用品。ホームセンターのカインズ(本庄市)では供給体制を整え、在庫確保を進めているとした上で、冷静な対応を呼び掛けている。
■ホテル、テレワーク推進 プラン提供延長
新年会など宴会需要が見込めない中、収益確保へ県内の主要ホテルでは知恵を絞る。
ロイヤルパインズホテル浦和(さいたま市浦和区)は、フランス料理や和食などで、事前注文による持ち帰り料理の提供に注力する。家庭内での内食需要が高まると想定し4人分のプランなどを設定。車で来館する注文客に直接渡すドライブスルー形式も始め、利便性を高める。
パレスホテル大宮(同市大宮区)では昨年から取り組む近隣の個人や法人向けのテークアウト弁当の販売を推進。その他の施策も随時展開する構えだ。
浦和ワシントンホテル(同市浦和区)では現在提供のテレワーク需要に対応の利用プランは2月末までの予定だったが、再びテレワークを推進する企業が増加すると予測。プラン提供の期間の延長を検討し始めた。
■飲食店、20時に繰り上げ 持ち帰りに活路
午後8時までの時短営業を求められる飲食店。「ファミリー食堂山田うどん食堂」など展開の山田食品産業(所沢市)は12日までに、4都県にある約120店舗で閉店時間を午後8時に繰り上げる。客足が鈍らないよう、各種集客策を講じるという。
居酒屋店舗「和民」などを展開するワタミ(東京都)は、8日から4都県の直営店約140店の閉店時間を午後8時に繰り上げる。一部で休業も検討する。
「がってん寿司」など展開のRDCホールディングス(熊谷市)は宣言の期間が恵方巻商戦の時期と重なるため、商戦戦略の練り直しを始めた。「持ち帰り需要を高め、前年に近い売り上げを確保できるよう知恵を絞りたい」と話す。
ある外食チェーンではテレワーク推進企業向けに、その社員が昼や夜に来店すれば割引や一品サービスなどの特別企画を設定。各法人へ営業する案を検討しているという。
県内にも店舗を構える外食チェーン関係者は「宴会需要などが激減していることもあり、一部店舗で休業した方がましという話も出ている」とため息をつく。また「家庭での内食需要を取り込もうとスーパーが弁当などの販売を強化するのではないか」と危機感を募らせた。