1歳男児が死亡…靴を履かず、明け方前の国道で流血 家で寝ていたはずの男児、両親が外出中に路上へ…トラックにはねられる 運転手を逮捕、9キロ先で別事故を起こし発覚 男児を救護する現場、近くで捜す両親「子がいない」
東松山市の国道で市内に住むベトナム国籍の男児(1)がはねられ死亡したひき逃げ事件で、県警は9日、自動車運転処罰法違反(過失致死)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで、トラックを運転していた神奈川県海老名市中央2丁目、会社員の男(58)を逮捕した。
逮捕容疑は8日午前5時15分ごろ、東松山市砂田町の国道407号でトラックを運転し、南から北へ進行中、路上にいた男児と衝突して死亡させ、救護措置を取らず逃走した疑い。調べに「人とは思わなかった」と容疑を否認しているという。
県警によると、同日午前6時ごろ、現場から北へ9キロ離れた場所から「ガードレールに接触する物件事故を起こした」と男から110番があった。警察官が車を確認し、ガードレールと接触した事故以外の破損が認められたため、事情を聴くと「白い何かとぶつかった」と答えたという。その後、本人の供述や車両の状況などから、ひき逃げへの関与を特定した。
男は勤務中だったとみられ、県警が当時の詳しい状況を調べている。
■見通し良い直線道路、1歳11カ月の命(以下、男児発見時の記事)
8日午前5時24分、東松山市砂田町の国道407号で、通行していたトラック運転手の男性(49)から「道路上に赤ちゃんが倒れている」と110番があった。東松山署員が駆け付けると、現場付近に住むベトナム国籍の1歳11カ月の男児が頭部から血を流して倒れており、搬送先の病院で死亡が確認された。
県警は、現場の状況などから死亡ひき逃げ事件と断定して捜査。付近を走行していたとみられる別のトラック運転手の50代男性が何らかの事情を知っているとみて聴取している。
現場は片側2車線の見通しのよい直線道路。県警によると、男児は南(川越方面)から北(熊谷方面)に向かう歩道側の車線の中央に倒れており、頭を負傷し出血していた。男児の自宅は現場付近で1歳11カ月の幼児が1人で歩いて行ける距離だという。靴は履いていなかった。
県警は現場での救護活動中に「家から子どもがいなくなった」と話していた30代の父親と20代の母親=いずれもベトナム国籍=から事情を聴取、「子どもが寝ていたので妻の職場に送迎していた」などと説明しているという。県警は送迎中の短時間に男児が一人で出て行った可能性を視野に、経緯や当時の詳しい状況を調べている。