東上線・鶴瀬駅前の駐輪場を撤去 富士見市が行政代執行 居住男性「3軒の土地増え、私だけ減少は不合理」
2019/03/16/00:00
東武東上線鶴瀬駅西口(埼玉県富士見市鶴馬)の土地区画整理事業を巡り、富士見市は14日、「長年にわたる交渉で移転の手続きが進まず、事業に大きな影響を及ぼす」として、行政代執行法などに基づき、同区域内の駐輪場を撤去する行政代執行を開始した。撤去作業は27日までに完了する予定。
撤去するのは、同所に居住する男性(69)が経営する駐輪場の一部(縦約3・5メートル、横19・5メートル)で、同所の駐輪器具と片屋根式カーポート、ネットフェンス、アスファルト舗装など。14日は測量と器具を確認し、15日は駐輪器具やカーポートなどの撤去作業を実施した。
同区画整理事業の対象地域は同駅西口駅前の約22・5ヘクタール。事業費約136億円を投入し、建物503棟のうち361棟を移転、駅前広場(約4200平方メートル)や都市計画道路などを建設する。施行は1992年度から2019年度で、17年度末に建物移転など99%以上が完了している。
市は男性と95年度から交渉を開始。鶴瀬駅西口整備事務所は「文書や面談により、換地基準に基づいて減歩率などの説明を続けているが、理解を得られない」としている。
これに対し、男性は「自宅前の道路の拡幅を目的に自宅側の道路だけを広げるため、向かいの民家など3軒の土地が増え、私の土地だけが減少するのは不合理で理屈に合わず、市からの回答はない」と反発。12日付で、市の行政代執行の停止を求める訴訟を起こしたという。