埼玉新聞

 

<新型コロナ>医療逼迫…感染状況、悪化に歯止めかからず 大野知事ら首相と会談「人の流れの抑制を」

  • 首都圏4知事、首相と会談「人の流れ、抑制を」

 大野元裕知事ら埼玉、東京、千葉、神奈川各都県知事は12日、首相官邸を訪れ、新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言が再発令されて以降、初めて菅義偉首相や西村康稔経済再生担当相らと会談した。菅首相からは国の支援策を活用し、医療機関に体制強化を働き掛けるよう要請された。大野知事は会談後、報道陣の取材に「1都3県、効果をしっかり出すことが大切」と強調した。

 首都圏は感染状況の悪化に歯止めがかからず、医療提供体制の逼迫(ひっぱく)が続いている、政府は午後8時を閉店とする飲食店への営業時間の短縮要請を対策の柱と位置付けており、西村氏は「実効性を上げていくため、繁華街への見回りや呼び掛けの徹底を改めてお願いしたい」と語った。11日までの3連休の人出に触れ、減少が十分でなかったとの認識を示した。

 大野知事らは外出自粛や飲食店の営業時間の短縮要請の働き掛けを、より強める必要性を強調。大野知事は「埼玉県においては皆さんのご協力を頂いてはいるものの、最初(4~5月)の緊急事態宣言の頃よりは人出が多い」と現状を話した。その上で「人の流れを抑制するとともに、経済についても1都3県、国とも協議させていただきたい」と述べた。

 神奈川県の黒岩祐治知事は感染状況の悪化で保健所の負担が増しているとして、「ぎりぎりの業務を少しでも軽減しないと、やっていけない」と指摘。感染経路や濃厚接触者を洗い出す「積極的疫学調査」を縮小している現状を説明した。

 東京都の小池百合子知事は「対策の実効性を上げる意味から大変有意義な機会だった」とした。

ツイート シェア シェア