JR駅、西武線駅の周辺「道路や歩道が狭い」「交通手段が乏しい」…新たに生まれ変わる飯能、市街地の楕円状エリア中心にどう変革 歴史的建造物のリノベ、イベント開催、道路整備へ
2024/03/14/11:29
飯能市は、中心市街地を含む市内のエリアについて「人中心のウオーカブルなまちなか」を目指すことなどを盛り込んだ「飯能まちなか未来ビジョン」を策定した。市は「公民連携による持続可能まちづくりを推進するよりどころ」としていく。
飯能の市街地は江戸時代の定期市(飯能縄市)から始まり、山間地域から搬出される木材や、織物などの生産・流通の場とされてきた。戦後の市街地拡大に伴い、住宅地や産業団地の開発が進められた。
飯能まちなか未来ビジョンは天覧山から飯能河原、西武池袋線飯能駅、同線とJR八高線東飯能駅までを結ぶおおむね楕円(だえん)状のエリアを「まちなか」と定義。一帯が「森林文化都市」としての飯能の中心的な役割を担うとした。
ビジョンは中心市街地の現状について、歩行者の空間が乏しく必ずしも安全安心に歩くことができない▽公共用地が全体の約2割と少ない▽土地の多くが駐車場など自動車のために使われている▽人口1人当たりの公園面積は3平方メートルと少ない―ことなどを指摘する。
中心市街地の課題について市が街頭で聞いた調査では、「道路や歩道が狭い」「交通手段が乏しい」などの声が寄せられ、若年層からは「人が集まることができる場所が少ない」との声もあったとしている。
その上で「まちなかの目指す姿」について、歩道の凹凸や段差を解消し歩行者に優しい道路空間の整備や、歴史的建造物のリノベーションによる活用の促進、マルシェ開催など沿線地域を含めた交流の場づくりなどを挙げる。
市は2022年度、市職員による「市中心市街地まちづくりビジョン策定プロジェクトチーム」を設置。検討報告書をまとめた上で市民らを交えたワークショップやパブリックコメントなどを経て、今回の未来ビジョンを策定した。