角川武蔵野ミュージアムに武蔵野皮トンビ登場 コロナ時代のアマビエ第2弾、さまざまな問いを投げ掛け
2021/01/17/00:00
埼玉県所沢市東所沢和田の角川武蔵野ミュージアムで行われている「コロナ時代のアマビエ」プロジェクトの第2弾として、「武蔵野皮トンビ」がミュージアムの外壁に登場した。
同プロジェクトはコロナ禍で人々に求められるイメージを6人のアーティストがそれぞれの解釈で制作する。第1弾は現代美術家の会田誠さんによる「疫病退散アマビヱ之図」が、ミュージアム2階のエントランスに展示されている。
「武蔵野皮トンビ」は現代美術家の鴻池朋子さんが手掛けた。大きさは幅24メートル、高さ10メートル。ミュージアムの神社側外壁に展示されている。牛革に描かれたトンビの体にカエルやカマキリなど多様な生き物、景色が散りばめられている。
作品は縫い合わせた牛革に水性塗料で描かれていて屋外にさらされている状態。人間同様のもろさと有限性のある皮革を支持体とする作品はコロナ禍でさまざまなシステムが限界を迎えつつある今、さまざまな問いを投げ掛けている。
鴻池さんは美術館の中で安全で守られた環境を一番の弱点と感じるようになり、その「妙な感触」は東日本大震災を経てより自覚的になってきたという。「動物の皮は天候とやりとりしながら、約1年間、人間の皮膚のように経年変化しタフに歳(とし)とっていくことでしょう」とコメントしている。
作品は今年11月まで展示される予定。