慌てて逃げる男、盗んだ大量のナシ発見…男女2人、容疑で再逮捕 神川、上里など計5千個以上が被害に
昨年9月に埼玉県神川町の農家でナシが大量に盗まれた事件で、県警は19日にも、窃盗の疑いで、いずれも群馬県伊勢崎市、ベトナム国籍の無職28歳被告と38歳被告の男女2人=入管難民法違反(不法残留)罪で起訴=を再逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材で分かった。
捜査関係者によると、28歳被告と38歳被告は共謀の上、昨年9月4~5日ごろ、神川町植竹の農家で、ナシ182個(時価約7万2800円相当)を盗んだ疑いが持たれている。
捜査3課によると、昨年9月5日未明、神川町内で窃盗事件を警戒中の児玉署員が不審な車を発見。男1人が慌てた様子で車を放置して逃走した。車の周辺には大量のナシが残されており、同日午前8時ごろには、近くの農園でナシが盗まれていたことが発覚した。
車の鑑識捜査や付近の防犯カメラの精査などから、複数のベトナム人の関与が浮上。このうち数人が伊勢崎市長沼町のアパートに出入りしていることが判明したため、県警は昨年12月2日、窃盗事件の関係先として同所を家宅捜索。現場にいた28歳被告らを入管難民法違反(不法残留)容疑で現行犯逮捕した。
捜査関係者によると、28歳被告はこの車の運転手役とみられる。また、共犯者として38歳被告の関与が浮上。県警が行方を捜索していたところ、昨年12月28日、東京出入国在留管理局に出頭したため、入管難民法違反(不法残留)容疑で逮捕した。その後、28歳被告とともにナシの窃盗事件への関与について慎重に調べていた。
さいたま地検熊谷支部は18日までに、入管難民法違反(不法残留)の罪で、28歳被告と38歳被告を起訴した。
県内では北部を中心に昨年8月ごろから、ナシの盗難被害が相次いでおり、神川町、上里町などの農家でこれまでに計5千個以上が盗まれた。被害総額は120万円以上に上る。群馬など北関東でも同様の被害が多発しており、県警が関連を調べている。