<乳児死亡>怒鳴り声、泣き声が昼夜問わず 衰弱した生後3カ月を放置死、両親逮捕「尋常ではなかった」
衰弱した生後3カ月の四女を放置して死亡させたとして、県警捜査1課と児玉署は20日、保護責任者遺棄致死の疑いで、いずれも美里町関の無職の父親(29)と母親(28)を逮捕した。死亡した四女喜空(きあ)ちゃんは顎や肋骨(ろっこつ)を骨折しており、ミルクを飲んだりすることが困難な状態だったという。県警は父親らが日常的に虐待していた可能性もあるとみて調べる。
逮捕容疑は昨年8月ごろ、自宅で、ミルクを飲まず低体重、低栄養状態だった喜空ちゃんに医師の診療を受けさせないで放置し、同年9月11日に死亡させた疑い。
■怒鳴り、泣き声頻繁 近隣住民「尋常ではない」
現場はJR本庄早稲田駅から南東に約4キロ離れた住宅街にある2階建てアパートの一室。近隣では子どもの泣き声などがたびたび聞かれ、住民らは「何があったんだろう」と現場を見つめていた。
近くに住む男性は、現場となったアパートの部屋から、男の怒鳴り声や女性や子どもの泣き声を聞くことが頻繁にあったという。「2年ほど前に男性が同居するようになってから、昼夜問わず泣き声などが聞こえ、30分ぐらい続くこともあった。尋常ではなかった」と話す。夫婦2人だけで数時間出掛ける姿もあり、「まともに子育てしているようには見受けられなかった」という。
近隣の70代女性は「赤ちゃんを抱く姿を見掛けたことはあるが、いつも雨戸が閉まっていて室内の様子は分からないので、双子だとは知らなかった」と驚いた。昨年9月ごろには、アパートに救急車が来て、父親が慌ただしくしている様子を見たという。「なんでこんなことになったんだろう。幼い子どもがかわいそうで痛ましい」と声を落とした。
次女が通っていた保育園の園長(62)は「(次女は)送迎バスで通っていたので、母親はあまり園に姿を見せなかったが、家庭環境が悪いようには見えなかった。事件を知り、別の家庭の事件なのではないかと思った」と話した。