高校普通科を再編、新学科を設置 県、中教審の答申を注視 新校の特色化や魅力ある高校づくりに期待
2021/01/27/00:00
中教審(渡辺光一郎会長)は26日、小中高校の教育の在り方に関する答申を取りまとめた。小学5、6年で専門の教員が教える教科担任制を2022年度をめどに本格導入すると明記し、対象教科に理科と算数、英語を例示。高校生の約7割が在籍する普通科を再編し、持続可能な開発目標(SDGs)といった現代社会や地域の課題に取り組む新学科を設置することを盛り込んだ。
中教審の答申に高校普通科の再編が盛り込まれたことを受け、埼玉県教育局魅力ある高校づくり課は「新学科の具体的な要件が示されれば、県立高校の新校を打ち出す時に特色を分かりやすく示せる。今後の動向を注視したい」と関心を寄せた。
県は2023年度の開校を目指す児玉新校、飯能新校に普通科を設置し、それぞれ実学重視や地域の観光資源を題材とした探究活動などの特色を掲げている。同課は「特色化や魅力ある高校づくりにおいて、県と国は同じ方向を向いていると思う。これまでは個別の取り組みだったが、今後は制度的な枠組みの中できちんと位置付けられるようになるのでは」と期待しながら、「まだ新学科の条件が具体化されていないので、すぐに県の方針に影響するわけではない」と慎重な姿勢を示した。
また、小学校5、6年生の教科担任制の本格導入が示されたことについて、同局義務教育指導課は「既に導入している学校数は調査していないが、担任以外の教員が一部の授業を担当したり、担任同士が得意な教科の指導を交換し合ったりしている小学校は少なくない」と説明。学級数が奇数である場合や、教員数が少ない山間部などの学校では「授業交換がやりにくいかもしれない」と指摘する一方、「教員数を補う専科指導加配の活用などにより、今後も分担が進むと考えられる」と話した。