反対…男女別学の埼玉県立高校“共学化”しないで「85・9%」 浦和高校の在校生ら、県教委に直接熱意を伝える「伝統を奪わないで」「定員割れなどのやむを得ない理由以外で、別学廃止は選択の権利を侵害」
2024/03/22/11:04
埼玉県立男女別学高校に対する「共学化」勧告を巡って、県立浦和高校で21日、同校在校生らが県教育委員会に意見表明を行った。別学校の在校生が県教委に意見を表明するのは今回が初となる。
同校生徒会が主体となって意見表明の会合を実施。在校生と今春卒業した3年生ら約150人が参加し、県教委の担当職員に対し勧告について意見した。
会合では共学化反対の声が噴出。「共学化することで浦高の伝統や環境を奪わないでほしい」「定員割れなどのやむを得ない理由以外で(別学を)廃止するのは選択の権利を侵害している」といった意見が相次いだ。
生徒会が在校生を対象に行ったアンケート調査(816人回答)では、共学化に「反対」と「どちらかといえば反対」を合わせた反対意見は85・9%だったという。
同校2年で生徒会長の田原薫さん(17)は「アンケートでは酌み取れない熱意を直接(県教委に)伝えることができるように、この場を設けた。(会合が)より良い学校づくりにつながることを願っている」と話していた。
在校生らの意見を受けた県立学校部の依田英樹高校改革統括監は「(意見を表明した)全員が反対か、ほぼ反対の意見だったと思う。一人一人の経験から発せられた言葉なので、重く受け止めたい」と述べた。ほかの別学校在校生から意見表明をしたいという具体的な要望はないというが、要望があった場合は同様の対応を取りたいとしている。
今回の意見は、県教委が今年8月末までに県男女共同参画苦情処理委員に求められている報告の参考にされる。