埼玉新聞

 

19歳で高校の通帳管理…横領の疑い、男逮捕 2人で会計担当 不明な出金など最大555万円/吉川署

  • 吉川署=三郷市上彦名

 埼玉県立高校の口座から現金を横領したとして、吉川署は27日、業務上横領の疑いで、犯行当時19歳だった同校事務職員の男(21)=越谷市=を逮捕した。男が採用された2018年4月以降、高校の口座には約550万円の未入金があり、同署は男が関与したとみて調べる。県教委は逮捕されたのは吉川美南高校定時制課程の事務職員と公表した。

 逮捕容疑は19年7月11日、吉川市内の金融機関で、学校名義の口座から現金6万6352円を出金、うち5万8511円を自己の口座に入れ横領した疑い。「積立金口座から引き出し、自分の口座に入金したことは間違いない」と容疑を認めているという。

 同署によると、男はもう1人の職員と共に同校の会計業務を担当し、通帳などを管理していた。19年末に学校が未入金に気付き、調査を実施。男は学校側の聞き取りに関与を否定していたという。学校は吉川署に相談していた。

 県警は横領した現金の使途や余罪を調べる。

 県教育局県立学校人事課によると、不明なのは18、19年に学年積立金、生徒会費、給食費などとして生徒から集めた現金で、逮捕された職員が口座への入金作業を担当。集金後、生徒に領収証を渡し、学校で同じ金額を記した納入書を保管していた。紛失した納入書もあり、未入金と不明な出金を合わせた総額は最大約555万円となるという。

 給食業者への未払いや、卒業生への使わなかった積立金の未返金も発生しており、今後、保護者説明会や対象家庭への聞き取りなどを行う。

 高田直芳教育長は「不祥事防止に取り組む中、誠に遺憾。早急に事実を確認するとともに、原因究明と再発防止に努める」とコメントした。

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