超難関を突破!日商簿記1級、上尾高校3年が合格 体調不良、大学入試の準備重なるも、集中力でカバー
簿記検定の最難関といわれる日本商工会議所(日商)の簿記1級試験に埼玉県立上尾高校商業科3年の石井雄大さん(18)が合格した。同校では昨年も4年ぶりに合格者を出しており、2年連続の快挙。林昭雄校長も「素晴らしい」と手放しで喜ぶ。簿記1級初の挑戦で一発合格を果たした石井さんは「何度も折れそうになったけれど、頑張って良かった」と爽やかにうれしさを表した。
日商簿記1級は、公認会計士や税理士など国家資格への登竜門として知られている。極めて高度な簿記の知識が必要とされ、試験科目は商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算の4科目。春と秋の2回行われる。石井さんは昨年11月に挑戦し、受験した8553人のうち合格者は1158人(合格率13・5%)という超難関を突破した。
高校入学当時はバドミントン部に所属。しかし肺気胸を患い、途中で断念せざるを得なかった。2年生の夏に手術もした。「部活をやめて時間ができたので、試験に挑戦しようと思った」という。平日2時間、休日4時間という勉強時間は決して多い方ではない。学校の教科の勉強や大学入試の準備も重なる中、持ち前の集中力で両立させた。「6月の試験は新型コロナで受けられなかったので、5カ月長く勉強した分、一発で受かりたかった」と石井さん。
商業科を選んだのは、自分の意思。「普通科で化学や物理、難しい数学を勉強しても将来に結び付かないと思った」から。入学して初めて簿記に出合い、自分に向いていると気付いた。「お金の流れを管理して仕分けし、帳簿化していくことで、会社の経営状態を知ることができるのが面白い」と簿記の魅力を語る。
「勉強は好き。でも今はものすごい解放感。やり切ったなあという感じ」と笑顔を見せる。趣味は筋トレとダーツ。週に何回かジムに通い、ダーツのオンライン対戦を楽しむ。卒業後は中央大学経済学部へ進学し、大学在学中の公認会計士試験合格を目指す。「将来は四大監査法人に就職したい」と大きな目標を見据えている。