うま味ギュッ 徳川家康が越谷で食べて誕生した料理・鴨すき、「そば処久伊豆」が復活させる そのお味は
2019/03/18/00:00
越谷市東越谷の「そば処久伊豆」ではそばやうどん、丼物や一品料理などが味わえる。2000年にオープンし、現在は2代目の笹井厚志さん(32)が店主を務めている。
広々とした店内には都内でそば店を創業した祖父の代から大切に使われてきたという新潟県産の天然無垢(むく)の木を使ったテーブル席と座敷席が並ぶ。ここで味わえるのが、徳川家康が越谷で鷹(たか)狩りを行った際に食べたことが由来とされる郷土料理「鴨(かも)すき」(1人前1500円、税込み)だ。
以前は市内でも鴨すきを提供する店があったが、15年ほど前を境になくなってしまったという。笹井さんが越谷の歴史を調べていく中で鴨すきの存在を知り「歴史ある郷土料理を衰退させてしまうのはもったいない」と2年前に復活させた。
市内にある宮内庁埼玉鴨場の関係者らの協力の下、鴨すきを再現した。国産最高級合鴨の「かすみ鴨」を使用。うま味がギュッと詰まった鴨肉の油で越谷ネギやこんにゃくなどを焼いていただく。鴨肉は甘みがあり柔らかく、越谷ネギは焼くと香りと甘さがより引き立つ。
歴史好きで来店客との会話も楽しむ笹井さん。「食を通じて地域の歴史に興味を持ってもらい、郷土愛を感じてもらえれば。鴨すきが郷土料理としてそれぞれの家庭にも広がっていけばうれしい」と笑顔を見せていた。
【メモ】そば処久伊豆 越谷市東越谷4の24の6(電話048・960・5388)。そのほかのお薦めはかきあげせいろ(980円)、鴨南蛮(税込1130円)など。営業は平日午前11時~午後2時半、午後5時~同8時半。日・祝日は午前11時~午後8時半。水曜定休。