“マゴコロ”海を渡る ランドセルをアフガンに 三芳の5小学校卒業生らが70個寄付 地元企業が呼びかけ
不要になったランドセルをアフガニスタンの子供たちに贈る事業「思い出のランドセルギフト」に取り組む公益財団法人「ジョイセフ」(東京都新宿区、明石康会長)にランドセルを寄付する寄贈式が21日、埼玉県三芳町藤久保の町立唐沢小学校(広井賢司校長、児童数407人)であった。3月末で卒業し、同事業に賛同した同町立小学校全5校の6年生らから募ったランドセル計約70個を同財団に寄付した。同財団は7月以降、アフガニスタンに船便で送る予定で、児童らの思い出が詰まったランドセルが海を越える。
同財団は、アフリカやアジアなど各国で妊娠や出産が理由で亡くなる母子の支援活動などに取り組んでいる。その一環で2004年からアフガニスタンの子供たちに不要になったランドセルを寄贈している。寄付するのは主婦らが多いが、ランドセル1個に対して梱包(こんぽう)や輸送費として2500円を徴収している。
同財団によると、アフガニスタンでは紛争のため多くの学校が破壊され、青空教室が多い。特に女子は男子よりも教育の機会が少なく、小学校を卒業できるのは4割で、6割の女子が最後まで通うことができない状況という。
こうした中、以前社内で募ったランドセルを同財団に寄贈したことのある監視カメラの製造とレンタルを推進する精密機器メーカー「MIYOSHI」(三芳町上富)の佐藤英吉社長が今年2月、同校長らに呼びかけ、同財団とともに寄付事業に取り組む「マゴコロ・ランドセルプロジェクト」を結成した。
5校から寄せられたランドセルの梱包と輸送費は全て同社が負担する。
同校の多目的室で開かれた寄贈式には、全6年生約80人が参加。「思い出ランドセルギフト」の横断幕やプロジェクト名を書いたパネルを掲げ、記念撮影。発起人の佐藤社長は「未来を担う子供たちが世界を知るきっかけをつくり、共に平和な世界をつくれることを期待したい」とした。
6年間使用したランドセルを寄贈した同校6年の北園明日香さん(11)は「貧しく学校にいけない子供がいるなら、その子にぜひ使ってほしい」、高校2年生の姉から譲られ、使用していたランドセルを寄贈した同校6年の伊賀陽也くん(12)は「困っている人に使ってもらえるのはうれしい」と話していた。