埼玉新聞

 

ベイシア、アセロラぶりを限定販売 アセロラ成分加えた餌で育成、脂が乗り臭み少ない養殖ブリ

  • アセロラの成分を加え養殖した「アセロラぶり」(ベイシア提供)

 埼玉県内で25店舗を展開するスーパー大手のベイシア(前橋市)は30日から、アセロラの成分を加えた餌で育成した養殖ブリ「アセロラぶり」の限定販売を始めた。養殖用種苗生産技術で世界的な研究機関の近畿大学(大阪府)と、大手食品メーカーのニチレイフーズ(東京都)らが開発。アセロラ由来の抗酸化作用などで鮮やかな色身の保持時間や味わいが改善された。900尾を刺し身やすしなどにして、ベイシアマートを除く15都県の全店で販売。

 アセロラぶりは従来の養殖ブリより鉄臭さや渋味、特有の養殖臭などがなく、爽やかな味わいが特徴。冷蔵保存だと、平均で約2日間長く鮮やかな赤身の色を保てるという。

 品質向上に活用したのがアセロラだ。ニチレイフーズのアセロラ製品の製造時に出る搾りかすには、抗酸化ポリフェノールやビタミンCが多量に含まれている。この副産物の粉末を餌に配合した。アセロラ効果で、従来から課題の血合いの変色を遅らせることなどが可能になったという。

 近大、ニチレイフーズ、総合商社の豊田通商(名古屋市)などは持続可能な養殖業の推進へ協働を進める。共同開発はその一環で、国内で多く養殖量が多いブリの需要を喚起するため、品質改良を目的に取り組んだ。

 ベイシアは近大のベンチャー企業のアーマリン近大が出資と支援を行う養殖魚の加工販売業、食縁(和歌山県)と2017年12月、「持続可能な養殖水産物の普及に関する協定」を締結しており、販売することになった。19年7月に近大開発のブリとヒラマサの交雑魚「ブリヒラ」を販売するなど、連携を深める。

 ベイシアの広報担当者は「脂が乗りつつ、アセロラ効果で青魚特有の臭みも少ない。限定販売なので早めに購入していただきたい」と話している。

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