埼玉新聞

 

ヤオコー予約4割増、プチぜいたく恵方巻き好調 そごう大宮も2割増、「銀座久兵衛」人気 がってん寿司も

  • イオンでは店舗ごとに過去の販売データを活用することで、食品ロス昨年比50%を目指す=1日、さいたま市中央区のイオン与野

 今年の節分は暦のずれで124年ぶりに3日でなく2日になった。新型コロナウイルスの収束が見通せない中、商売繁盛や無病息災の御利益があるとされる恵方巻きにあやかろうと、小売業や外食業では商戦に力が入る。新型コロナに伴う巣ごもり需要の取り込みを狙い、質の高い商品の提供などに注力。当日売りの強化、食品ロス削減にも取り組む。今年の恵方は南南東。

 イオンリテール(千葉県千葉市)では、恵方巻きの予約件数は前年比2割増、うちネットでは約2倍。「接触機会を避けようとオンライン予約を選ぶ客が多いと思う」と分析する。

 例年と同様に東京都の名店「鮨(すし)よしたけ」監修の商品、今年から持続可能な漁業や環境などに配慮した養殖業を認定する「MSC認証」「ASC認証」のホタテ、アマエビを使った「海鮮太巻」(税込み1058円)を取り扱う。全国の漁協などが定める高品質な水産物「プライドフィッシュ」に認定の海鮮品を使った恵方巻きもある。

 ヤオコー(埼玉県川越市)では予約件数が4割増。巣ごもり消費もあり、担当者は「おせち同様に事前での予約の伸びが好調」と説明する。2日も「国産生本鮪(マグロ)がたっぷり入ったご馳走鮪巻」(同1058円)や「生サーモンがたっぷり入った海鮮巻」(同645円)などを取り扱う。「需要の把握に努め、食品ロスをすることなく、しっかりと売り切りたい」と話す。

 そごう大宮店(埼玉県さいたま市大宮区)では、予約件数が2割増で、高価格帯の予約が堅調。東京・銀座の老舗すし店「銀座久兵衛」の恵方巻き(同1890円)を中心に予約が集まった。2日も同店や京都の老舗料理店「たん熊北店」からの取り寄せ品を数量限定で販売する。「なだ万厨房」などテナント各店でも販売を推進。担当者は「クリスマスなどで見られた高級志向が恵方巻きでも続いている」と話す。

 がってん寿司など展開のRDCホールディングス(埼玉県熊谷市)は緊急事態宣言の再発令で予約動向を心配していたが、例年通りの水準の件数に。新規需要を掘り起こすため、出前サービスのHP経由で注文ができるようにした点などが奏功した。

 例年の恵方巻き商戦の売り上げでみると、事前予約が9割を占め、今年も同様という。食材ロス削減の観点からも、当日の来店客らに積極的に販売する構えだ。

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