浦和の劇団「ミュージカル座」公演再開へ 芸術劇場で3月25~29日「ひめゆり」 安全に楽しむ環境整備
新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生して活動を中止していた劇団「ミュージカル座」(埼玉県さいたま市浦和区)は、感染防止対策を徹底して活動を再開する。3月25~29日、彩の国さいたま芸術劇場大ホールで、太平洋戦争の沖縄戦で犠牲になった「ひめゆり学徒隊」を描いたオリジナルミュージカル「ひめゆり」を公演する。
劇団によると、県はクラスター発生後に稽古場などの現場調査や陽性者と濃厚接触者ら全員に郵送によるアンケートを実施。劇団が数多くの感染防止対策や換気を行っていたものの、稽古場となった80平方メートルのスタジオに一度に入る人数が多く、出演者がマウスシールドを使用したり、マスクを外して通し稽古をしたことなどが、感染拡大の原因との見解を示したという。
劇団は県の指導を受けた上で、劇団内で話し合いを重ね、公演の再開を決めた。政府の指針や劇場ガイドラインに基づいて、客席を50%に制限。空調設備により常時換気し、観客には検温やマスク着用を求め、手指消毒を徹底する。
舞台上での密を避けるため、出演者は52役を40役に減らし、40人ずつのダブルキャストにして、2組は稽古も別々に行う。劇場の指導の下、舞台上に立つキャストは32人に制限。「群衆劇を作る上では、理想より少ない人数になるが、演出に工夫を凝らしたい」としている。稽古ではマスク着用を徹底し、マウスシールドは使用しない。稽古期間の後半1カ月弱は大きな稽古場を使用。稽古開始前と劇場入り前の期間に、PCR検査を実施する。稽古の人数も制限し、1時間に数回の換気も行う。
劇団は「感染対策に細心の注意を払い、キャストが安心して稽古に励める環境整備を心掛けてまいります。2021年版『ひめゆり』公演を心からお楽しみいただき、お客さまが『見に来て良かった』と笑顔でお帰りいただけるよう、精いっぱい努めてまいります。何とぞ、よろしくお願いいたします」としている。
「ひめゆり」は上演25周年を迎える同劇団の代表作。昨年10月、ひめゆりの稽古中に計76人の集団感染が発生したため、公演を中止し、劇団の活動も中止していた。
今回の公演は3月25~29日の昼夜合わせて計8回。チケットはA席5千円、S席8500円、SS席1万円、プログラム付き応援席1万5千円。全席指定の税込み。上演時間は休憩を挟んで約2時間35分を予定。2月10日正午からチケットを販売する。問い合わせは、同劇団(電話048・825・7460)へ。