埼玉新聞

 

<新型コロナ>秩父市、PCR検査キットの提供始める 自己負担は千円 簡易検査で、陽性・陰性判定なし

  • 自己負担額千円で提供を開始した「PCR検査・唾液採取用検査キット」=10日午前9時15分ごろ、秩父市熊木町の市歴史文化伝承館

 埼玉県の秩父地域で新型コロナウイルスの感染が拡大する中、秩父市は10日、症状はないものの感染症への不安のある人や高齢者福祉施設で働いている人などを対象に、市が購入した「PCR検査・唾液採取用検査キット(簡易検査)」を自己負担額千円で提供する事業を同市熊木町の市歴史文化伝承館で開始した。

 市内在住者や市内在勤・在学・在園者で、発熱などの症状がなく、接触者に該当しない人が対象となる。検査結果は「高リスク」か「低リスク」で通知され、陽性や陰性の判定は行われない。検査結果が高リスクの場合には必ず市地域医療対策課に連絡し、秩父郡市医師会に電話で相談の上、医療機関でPCR検査や抗原定量検査(2次検査)を受ける必要がある。

 初日の提供開始と同時に訪れた人は高齢者が多かった。最初にキットを購入した男性(66)は「今はテレワーク中だが、営業をしている。緊急事態宣言終了後は営業に出る予定で、相手も気にするから」と理由を語った。2番目の女性(72)は「自覚症状はないけど、高齢者なので、やっぱり不安がある」と話した。

 時間は土日や祝日を除き、午前9時~正午と午後1時~同4時。提供回数は原則1回で、免許証や健康保険証などの本人確認書類が必要となる。企業や団体には事前に同課へ連絡することを呼び掛けている。

 同課の担当者は「多くの問い合わせがあったが、密を避けるためにも分散して来てもらえれば」と話している。

 問い合わせは、同課(電話0494・22・2279)へ。

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