許せない、信じられない…JR浦和駅前で「森会長の女性蔑視」抗議デモ 「氷山の一角」「総理は首にして」
花を手に性暴力被害の根絶を訴える「フラワーデモ埼玉」が11日、埼玉県さいたま市浦和区のJR浦和駅東口で開かれ、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長による女性蔑視発言に抗議した。集まった20人以上の人たちは「女性蔑視の森会長は辞任を」「差別を許さない日本に」「沈黙するのはやめよう」などのプラカードを掲げて、女性差別に反対する強い意志を示した。
森氏は3日、日本オリンピック委員会(IOC)の臨時評議員会で、「女性がたくさん入る理事会は時間がかかる」「組織委員会にも女性は7人くらいいますが、みんなわきまえておられて」などと発言。翌日に発言を撤回して謝罪したが、国内外から厳しい批判の声が出た。
フラワーデモ埼玉の呼び掛け人の一人、野田静枝さん(73)=さいたま市=は「女性の人権を踏みにじる発言で、到底許せない。森発言は氷山の一角。女性がわきまえなくてはならない状態になっていることに、私たちは声を上げなくてはならない」。11日には、森氏が辞任の意向を固めたと報道された。野田さんは「辞任ではなく、首にすべきだった」と非難した。
本郷高校(東京都豊島区)の男子生徒3人は初めて参加した。2年生の男子生徒(17)は「まだああいうことを言う人がいるんだと思った。問題として感じるのは、森氏の周りの人たちが擁護したり、差別について矮小(わいしょう)化するような発言をしたこと。社会全体の意識を変えないといけないと思うので、自分も声を出して、周りに広めていきたい」。1年生の男子生徒(15)は「発言は差別的で間違っている。絶対に許されない」と話した。
主婦の伊藤亜由美さん(34)=さいたま市=は、ツイッターを見て初めて参加した。森発言について「今の時代に信じられなかった。怒りと悲しみで家事が手につかず、何か行動したかった。辞任するのは当たり前で、謝罪があるかどうか。(前回の謝罪は問題を)本当に理解したものではなく、言い訳。後任は五輪憲章を理解した人になってほしいし、(組織委の)女性の理事をもっと増やしてほしい」と訴えていた。