桜の下、会話にも花…埼玉県内各地で桜が見頃、コロナ前のにぎわい戻る 開花遅れで祭りの会期延長も
埼玉県内で今週末、桜が見頃を迎えている。新型コロナウイルス感染症の5類移行後、初めての桜。今季は例年より遅めの見頃となったが、各地の花の名所は大勢の人出でにぎわう。訪れた人たちは家族や友人らと、これまでマスク越しにしていた会話を遠慮なくして花を咲かせた。
■以前のにぎわい戻る/大宮公園
さいたま市大宮区の大宮公園では桜が見頃を迎えた。園内には露店が並び、レジャーシートを敷いて花見を楽しむ客でにぎわった。
大宮公園、大宮第二・三公園には計約千本の桜があり、本庄市の斉藤美幸さん(30)は家族4人で訪れた。「(コロナ下の)2年前に来た時よりも人が多くてにぎやか。どこを見渡しても桜できれいです」と桜色に染まった木々に目を細めた。
園内の自由広場周辺には約90店舗の露店が並び、公園管理事務所は「コロナ前のにぎわいが戻ってきたように感じる」と話した。
一方、3月中旬に寒い日が続き、開花が遅くなったことによる影響も。今年の桜の開花は3月27日で、昨年より約2週間遅かった。
大宮露商組合代表の薩摩英春さん(61)は「桜の開花が遅れ、食品を扱っている店では食品のロスもあった。自然相手だとそういうこともある」と話した。
園内では7日まで、日没~午後9時にライトアップも行われている。
■開花遅れ、期間も延長/熊谷さくら祭
熊谷市観光協会は市内の熊谷桜堤で「熊谷さくら祭」を開催中。熊谷桜堤は約2キロにわたって約500本のソメイヨシノが並び、日本さくらの会の「さくら名所100選」にも選ばれている。同祭は3月22日から4月4日の予定だったが、開花の遅れによって3月25日から4月7日に変更後、さらに同14日までに延長。熊谷桜堤の開花発表は3月31日で、平年より4日遅く、昨年よりも14日遅かった。
観光協会は同祭期間の延長のため、関係各所との調整に追われた。渋滞緩和のため、3月30、31日の土日は荒川河川敷内の臨時駐車場を予定通りに有料(1台千円)としたが、当初は予定していなかったこともあり、桜が開花した4月の土日は駐車場を無料とすることに。協会の担当者は「駐車場の収入は少なくなったけど、期間を延長して支出が増えた」と頭を抱える。
同祭は新型コロナウイルスの影響で2020年と21年は中止となり、22年は規模を縮小して3年ぶりに実施した。今年は昨年と同様にコロナ禍以前と同等の制限のない形で行われている。会場にはぼんぼりを設置し、午後6時から同9時まではライトアップを行い、露店も出店している。
問い合わせは、観光協会(電話048・594・6677)へ。