埼玉新聞

 

<新型コロナ>緊急事態宣言の前倒し解除、求めず 関東の知事ら一致 リバウンド(再増加)に危機感

  • 1都3県知事会議で感染防止強化を確認する大野元裕知事=23日午後、県庁

 大野元裕埼玉県知事をはじめとする東京、千葉、神奈川各都県知事は23日、テレビ会議を開き、新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言の前倒し解除を要請しないことで一致した。会議後、大野知事は記者団に対し、新規感染者が減少している一方、減少ペースが鈍化傾向にあるとして「これからリバウンド(再増加)が懸念されるような状況になれば、可能性として3月7日に解除できないこともあり得る」と危機感を述べ、感染防止にさらに力を入れる方針を示した。

 会議では1都3県が歩調を合わせ、緊急事態宣言を延長期限の3月7日で終了させるために取り組みを強化することで一致。「感染防止対策をトコトン徹底」の掛け声の下、外出自粛やマスク・手洗い励行など感染防止をさらに呼び掛けていくとした。

 県内の1日当たりの新規感染者は、1月16日の582人をピークに減少傾向にあり、2月15日には12月7日以来の2桁となる94人にまで減少。ところがその3日後の今月18日には210人にまで再増加するなど、一進一退の状況が続いている。また、県内の病床使用率は22日午後9時時点で57・2%(771人/1349床)。国が感染状況を判断する指標では、依然として「ステージ4(爆発的感染拡大)」相当にある。

 知事会議に先立って同日午後に行われた県の専門会議では、現在の県内の感染状況について「新規感染者が減少しているが、減少率が緩やかになっている」などの評価があり、今後、新規感染者が再増加に転じないよう、宣言解除には慎重であるべきといった意見があったという。

 大野知事は宣言解除を前倒しで要望する段階にない理由を、新規感染者減少率の鈍化や、病床使用率が高いことに加え、県内でも確認されている変異株陽性者対応への知見が少ないことを指摘。「緊急事態宣言中に徹底して陽性者を抑制していく必要がある。3月7日までにできることは全てやりたい」と強調した。

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