新所沢パルコ閉店へ…24年2月末に 1983年開業 グランエミオなど競争激化、大型施設の出店計画も
2021/02/25/00:00
大丸や松坂屋を運営するJ・フロントリテイリングは24日、傘下のパルコが新所沢パルコ(所沢市緑町)を2024年2月末に閉店すると発表した。同社は、周辺の商業施設との競争激化や西武鉄道所沢駅周辺に大型施設の出店が計画されており、収益増が見込めないことや施設の老朽化などを要因としている。地元の所沢商工会議所の関係者は「(新所沢パルコが)閉店となると地元経済に与える影響は大きい」と話している。閉店後の跡地利用は未定。
旧セゾングループの新所沢パルコは、西武新宿線新所沢駅から徒歩約2分の場所に立地し、1983年6月に開業。地下1階地上5階のパルコ館と地下1階地上4階のレッツ館の2館で構成され、映画館や衣料品、食料品などを取り扱うテナント87店があり、店舗面積は約3万9千平方メートル。
ピーク時の91年度には182億2千万円あった売上高は2019年度には100億7100万円と約6割に減少。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言により、営業休止を余儀なくされたことも売り上げに影響を与えたとみられる。同店で働く社員は配置転換の上、雇用を継続するとしている。
同店周辺では所沢駅前の西武百貨店所沢店を全面改装しリニューアルした「西武所沢SC(ショッピングセンター)」が19年11月に開業。また同駅に直結する商業施設「グランエミオ所沢」が20年9月にグランドオープンするなど競争が激化していた。
今後、同駅西口の西武鉄道車両工場跡地には大規模商業施設の開発が予定されいる。
浦和パルコ(さいたま市)など全国にパルコは18店あるが、津田沼パルコ(千葉県船橋市)についても23年2月末で閉店する。