意識不明の男性流血…振り返った女子中学生ら、とっさに救う 駆け込んだ交番が無人でも諦めず 絶賛の声
2021/03/01/00:00
路上で転倒して意識を失った男性を発見し、救急搬送の要請や救急車の到着まで男性を保護して人命救助に貢献したとして、埼玉県の新座署は、新座市立第五中学校(菅野潤一校長、生徒数717人)3年の女子生徒2人に感謝状を贈呈した。
感謝状を授与されたのは、高瀬乃絵さんと戸川真緒さんの2人=(15)=。
同署などによると、2月4日午後4時15分ごろ、同市栗原2丁目の路上で、2人が徒歩で下校途中、後方でゴツンという音がしたため振り向いたところ、同市の男性(66)が額から血を流してうつぶせに倒れていた。男性に声をかけたが意識はなく、携帯電話を所持していなかったため、戸川さんが男性を保護する一方、高瀬さんは約100メートル離れた交番に駆け込んだ。
しかし、交番は無人だったため高瀬さんは設置されていた非常通報装置を使用し、人倒れがあることを新座署に連絡。救急搬送の要請を受けた救急車が現場に到着して男性は病院に搬送されたが、命に別状はなかったという。
同署の千葉順市署長は「なかなかできることではない」と2人のとっさの行動を絶賛。感謝状を受け取った高瀬さんは「男性が無事でよかった。本当に感謝状をもらえることをしたのか、と思っています」、戸川さんは「周りの大人たちも助けてくれたのでできたんだと思う」と振り返った。
授与式は高校受験直前だったため、配慮した千葉署長らが同中学校に出向いて行われた。菅野校長は「勇気ある素晴らしい行動。2人が在籍していることを誇りに思う。今後も人のために尽くし、勇気をもって人生を歩んでほしい」とエールを送った。