もう限界、殺しちゃいそう…嫌がらせする男性殺害、少年認める 詐欺仲間トラブル 遺族に謝罪の手紙/地裁
2021/03/02/00:00
昨年5月、埼玉県和光市の月決め駐車場の車内で、住所職業不詳の男性=当時(31)=の遺体が見つかった事件で、殺人と死体遺棄などの罪に問われた少年(19)の裁判員裁判初公判が1日、さいたま地裁(田尻克已裁判長)で開かれた。少年は「間違いありません」と起訴内容を認めた。
検察側は冒頭陳述で、少年は東京都板橋区のマンションで、男性らと特殊詐欺グループの「かけ子」として活動。現場の管理役だった男性から日常的に高圧的な態度を取られていたことや、独自で詐欺行為をしていると疑われたことなどから、「不満を抱き、殺害を決意した」と指摘。殺害や死体遺棄の犯行態様についても「残虐で悪質」とした。
弁護側は「遺族に謝罪の手紙を送っていることなども踏まえて刑の重さを決めてほしい」と主張した。
証人尋問では、少年とともに男性の遺体を運んだ詐欺グループの仲間の男(24)=死体遺棄罪などで実刑判決=が出廷。男性が少年に偽ブランドの財布を売り付けようとするなど嫌がらせをしていたことに触れ、「少年が『もう限界。殺しちゃいそうです』などと言っていた」と話した。
起訴状などによると、少年は昨年4月13日、詐欺グループの拠点だった板橋区のマンションで、男性を包丁で刺殺。翌14日に、仲間の男性と都内の会社から盗んだ車に遺体を乗せて、和光市の駐車場に車を放置し、遺体を遺棄したなどとされる。
少年は、殺人や死体遺棄、詐欺などの疑いで逮捕、さいたま家裁に送致され、検察官送致(逆送)の決定を受けて起訴されていた。