仲間同士は偽名…報酬ない詐欺集団の生活実態 仲間殺害した少年、直前のやりとりは「言いたくない」/地裁
2021/03/03/00:00
同じ特殊詐欺グループのメンバーの男性を殺害して、遺体を遺棄したなどとして、殺人と死体遺棄などの罪に問われた少年(19)の裁判員裁判の第2回公判が2日、さいたま地裁(田尻克已裁判長)で開かれた。
被告人質問では、少年が特殊詐欺グループに加入するようになった経緯について「仕事を紹介してくれた人から、金融の仕事だと聞いて東京に来た」と説明。板橋区の拠点マンションでは、毎週日曜日の夕方から金曜日まで、他のメンバーらとともに生活し、高齢者らに電話をかける「かけ子」として活動していたという。「仲間同士は偽名を名乗っていた。報酬は10%程度と聞いたが、自分が報酬をもらったことはなかった」と話した。
男性を殺害したことについては「殺害するために包丁を買った」と話した一方で、事件直前のやりとりなどは「言いたくない」と黙秘した。
起訴状などによると、少年は昨年4月13日、板橋区のマンションで、住居職業不詳の男性=当時(31)=を殺害。仲間の男(24)とともに遺体を埼玉県和光市のマンション駐車場に遺棄したなどとされる。