埼玉新聞

 

<女性殺人>復縁拒む女性を包丁で突き刺す…検察、元交際相手に18年求刑 弁護側「殺害考えてない」

  • さいたま地裁=さいたま市浦和区高砂

 埼玉県越谷市の路上で昨年9月、元交際相手の女性を刺して殺害したとして、殺人と銃刀法違反の罪に問われた千葉県木更津市、無職の男(36)の裁判員裁判の論告求刑公判が5日、さいたま地裁(河村俊哉裁判長)で開かれた。検察側は懲役18年を求刑。弁護側は突発的な犯行と主張し、懲役12年以下を求めた。判決は9日。

 論告で検察側は、復縁を拒む女性に対し、脅迫メモや首を絞めるなどして脅し続けた男の行為は、「身勝手なストーカー事案に類するもので、酌量の余地はない」と指摘。「通勤時間帯で人が多い場所にもちゅうちょすることなく、包丁で突き刺した」と述べた。

 弁護側は、犯行当日、男は話し合いをしようと近づいたが、女性が同僚に助けを求めたため、頭が真っ白になり、突発的に犯行に及んだと強調。「凶器は女性が抵抗したら脅かそうと思って所持していたもので、殺害行為は全く考えていなかった」と主張し、情状酌量を求めた。

 起訴状などによると、男は昨年9月30日午前9時15分ごろ、越谷市新越谷の路上で、通勤途中の会社員女性=当時(23)=の首を包丁で突き刺し、出血性ショックで死亡させたとされる。

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