不正行為の元職員に損害賠償求め、和光市が訴訟 部下にうそ、虚偽の事業で委託料など支払う
2021/03/06/00:00
埼玉県の和光市が生活保護受給者などから預かった金銭をだまし取ったなどとして、詐欺や業務上横領容疑で逮捕、起訴された元同市企画部審議監の被告(57)=懲戒免職、公判中=が介護職員の定期巡回サービスに絡む情報共有システムの導入事業を巡り、不正行為を行ったなどとして、同市は5日、同被告を相手取り、業者に支払った委託料など計約1700万円の損害賠償を求める訴訟をさいたま地裁に起こした。
市によると、被告が市保健福祉部長だった2014年夏ごろ、部下の職員に対して「介護職員の定期巡回サービスに絡む情報共有システムの導入事業がある」とうそを言って、同年12月市議会に介護保険特別会計に受託会社に業務委託料1566万円を支払う補正予算を計上させた。同議会は原案通り可決し、職員は受託業者と業務委託契約を締結し、委託料を支払った。その後、同被告が19年6月に逮捕されたことを受け、同市が内部調査を行ったところ、事業は虚偽だったことが分かったという。
また、市は20年10月、国の交付金申請を巡り、不正行為により市に損害を与えたなどとして、同被告を相手取り、返還金など計6200万円の損害賠償を求める訴訟を同地裁に起こしている。