<新型コロナ>ウイルスと闘う病院を応援 介護事業者ら、CFで支援金呼び掛け「共に地域を守るため」
新型コロナウイルスと闘う行田中央総合病院を応援しようと、埼玉県行田市の高齢者サービス事業者らが、インターネットを通じて資金を集めるクラウドファンディング(CF)で支援金を呼び掛けている。集団感染が発生して心身共に厳しい状態で働いているスタッフへの慰労金として贈る。現在の目標額は150万円だが、地域の人たちの温かい思いを集めて、1週間足らずで到達する勢いだ。
CFを実施しているのは、特別養護老人ホームまきば園施設長の根岸節子さん(60)と、同ふぁみいゆ行田施設長の藤井尚子さん(54)が共同代表を務める「行田中央総合病院を応援する会」。同病院では昨年末から患者と職員計77人に新型コロナの陽性が確認され、一時は外来診療が停止となる事態に。
「(病院のスタッフが)傷つき苦しんでいるのではないか。居ても立ってもいられなくなった」と藤井さん。市内の介護事業者らによる「うきしろ高齢者サービス事業者交流会」の会長も務める根岸さんに相談し、同会を立ち上げることになった。
CFの募集期間は1日から1ケ月間。当初の目標額の10万円は早くも達成。次のゴールは150万円に設定したが、5日現在で59人から144万9千円が集まっている。藤井さんは「歴史のある病院なので、地元の方に愛されている病院ということを改めて認識した」。根岸さんも「病院を応援したいが伝え方が分からなかった人たちの気持ちを受け止める場所になったのでは」と話す。
同病院によると、今回の集団感染後に退職者が続き、病棟の一部を閉鎖せざるを得ない状態になっているという。風評被害にも苦しむ中で、経営管理本部長の常深広行さん(52)は「(CFの反響に)驚いている。職員たちも勇気づけられている」。
藤井さんは「スタッフの皆さんには一日も早く笑顔を取り戻してもらって、共に地域を守るために力を合わせて頑張っていきたい」と話していた。