埼玉新聞

 

真冬の夜に薄着で歩く女性…実は行方不明者 暖を取り家族に引き渡す 浦和東署、発見の自治会に感謝状

  • 斉藤健一署長(左)から感謝状を受け取った山崎自治会のメンバーら=10日午前、浦和東署

 真冬に一人で歩いている高齢女性に声を掛け、行方不明者の発見に貢献したとして、浦和東署は10日、埼玉県さいたま市緑区三室の山崎自治会に感謝状を贈呈した。

 同自治会は昨年12月29日午後8時45分ごろ、毎年行っている年末パトロールの際に、カーディガン姿で歩く80代の高齢女性を発見し、声を掛けた。女性が自宅の電話番号を話したことから、家族に連絡。女性が手にけがをしていたため、手当てをしたり、薄着の女性を抱きかかえるようにして暖を取り、無事に家族に引き渡した。

 女性は同日午後6時半ごろに家を出た後、自宅に戻らず、家族から捜索願が出ていた。

 「通りかかるのが、あと5分遅かったらどこかに行ってしまったかもしれない」と同自治会の山崎進さん(69)。宮脇幸一さん(75)も「パトロールは本来目立たない活動なので感謝状には驚いたが、今後の活動の励みになれば」と笑顔で受け取った。

 同署の斉藤健一署長は「安心・安全の実現は地元の協力がないと難しい。改めて地元住民の力を感じた」と功労をたたえた。

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