埼玉新聞

 

埼玉の男女別学巡る議論、共学高関係者らに初の意見聴取 別学校と近く進学先も類似の高校、保護者らは

  • 所沢北高校のPTA・後援会の保護者らから、「共学化」に対する意見を聴く県教委

    所沢北高校のPTA・後援会の保護者らから、「共学化」に対する意見を聴く県教委=26日午後、県立所沢北高校(所沢市並木)

  • 所沢北高校のPTA・後援会の保護者らから、「共学化」に対する意見を聴く県教委

 埼玉県立男女別学校の「共学化」を巡る議論で県教育委員会は26日、所沢北高校(所沢市並木)で同校PTA・後援会に意見聴取を行った。県教委が共学校関係者の意見を聴くのは初めて。

 県教委では別学校の川越、川越女子高校と立地が近く、進学先も類似している所沢北高校に対して、昨年から同校の取り組みなどについて調査を進めていた。

 今回の聴取は保護者の求めがあれば応じる意向を県教委が同校に示し、PTAを通じて保護者に伝えた。聴取には保護者ら19人が参加し、議論の発端となった県男女共同参画苦情処理委員による勧告の内容などについて質問した。

 保護者らからは「伝統を残すのも多様性ではないか」といった声が上がった一方、「(性別を理由に)自分がやりたいことをかなえてあげられないのはどうなのか」といった意見もあった。県教委から保護者に共学の特性などについて尋ねる場面もあり、ある保護者は「意見が(男女)両方から出る良さがある」と話していた。

 また、共学について「社会のジェンダー格差がそのまま学校に持ち込まれる」との意見に対し、保護者は「『女子がいないから男子がやる。男子がいないから女子がやる』という意見自体が男女差別だと思う」と指摘した。

 聴取を行った県教委の依田英樹高校改革統括監は今回上がった声について「全体として別学維持の意見が多かったのは勉強になった」と述べた。県教委は今後も共学校からの求めがある場合には意見聴取を行う方針。

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