埼玉新聞

 

実証実験の満足度100%…公立保育園で「紙おむつ定額制」導入広がる さいたまは年度中に、川口は5月から

  • 実証実験を行った大戸保育園では園児ごとの箱に保育士が紙おむつを補充していた=2023年11月、埼玉県さいたま市中央区

    実証実験を行った大戸保育園では園児ごとの箱に保育士が紙おむつを補充していた=2023年11月、埼玉県さいたま市中央区

  • 実証実験を行った大戸保育園では園児ごとの箱に保育士が紙おむつを補充していた=2023年11月、埼玉県さいたま市中央区

 埼玉県さいたま市は今年度から、保護者が毎月定額の利用料を支払うことで業者が提供する紙おむつとおしりふきを使うことができる「紙おむつ等定額制サービス」を公立保育園で本格導入すると発表した。サービスは希望制で、希望する保護者は紙おむつの持参や紙おむつへの記名が不要となり、保育所ではおむつの管理が一元化できるなどの負担軽減が期待されている。

 市は昨年11~12月に、市内の公立保育園4園で無料の実証実験を実施。利用した保護者160人にアンケートを取ったところ、満足度は100%で「登園時の荷物が減った」「おむつに名前を書く必要がなくなった」という意見が多かった。継続してほしいと回答した割合は74%で、継続しないと答えた人は「有償となると継続しない」「そもそもおむつが必要なくなる」という意見があった。

 実証実験を行った4園は4月いっぱいは試験導入として無料トライアルを実施し、5月から有料サービスとして本格導入する。価格は紙おむつの種類にもよるが、月額2300~3200円で、個人で購入するよりも割高になるという。

 市保育課によると、公立保育園のうち、実証実験を行った園と廃止予定の園を除く全50園で本年度中の導入を予定している。今後市は候補となる事業者を選定し、保護者にはアンケートを取り、一園に対し一事業者を選定する。

 保護者と事業者が直接契約を結ぶため、市の予算はかからない。

■川口市は「おむつん」導入…月額2400円で「グーンプラス」とおしりふき使い放題

 川口市は5月1日から、同市が設置、運営する市内保育所25カ所で、紙おむつなどが毎月定額料金を支払うことで枚数制限なく利用できるサービス「おむつん」を導入する。

 名前を書いたおむつを準備して持たせることなど、保護者の負担軽減が狙い。月額2400円で、保育所に納品される大王製紙社製の紙おむつ「グーンプラス」各サイズと、おしりふきが使い放題となる。5月は無償の試用期間で、6月から本格稼働。保護者とサービスを提供する事業者が直接契約する。

 市保育運営課担当者は「子育て支援の拡充をはかり、保護者の負担を軽減したい」としている。

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