埼玉新聞

 

流血…刺された男性死亡、集合住宅で発見 外階段の踊り場付近に倒れていた 30代の男逮捕、3日前に複数人が話し込む姿 近隣住民が通報「刃物を持って騒いでいる」

  • 現場の集合住宅で鑑識活動をする警察官ら=29日午後11時半ごろ、川口市朝日6丁目

    現場の集合住宅で鑑識活動をする警察官ら=29日午後11時半ごろ、川口市朝日6丁目

  • 現場の集合住宅で鑑識活動をする警察官ら=29日午後11時半ごろ、川口市朝日6丁目

 29日午後9時2分、埼玉県川口市朝日6丁目の集合住宅敷地内で、近所に住む男性から「外国人が刃物を持って騒いでいる」と110番があった。救急隊が駆け付けると、敷地内で、この集合住宅に住むベトナム国籍の土木作業員の男性(33)が血を流して倒れており、救急搬送されたものの、病院で死亡が確認された。

 司法解剖の結果、男性の死因は刺創による失血と判明。県警は30日、殺人事件と断定し、川口署に60人態勢の特別捜査班を設置した。県警は同日、ベトナム国籍で住所、職業不詳の30代の男を入管難民法違反(不法残留)の疑いで逮捕。現場や目撃状況などからこの男が何らかの事情を知っているとみて捜査している。

 県警によると、男性の上半身には刃物のような物で付けられたとみられる複数の刺切創があったという。集合住宅4階の外階段の踊り場付近に倒れていた。入管難民法違反容疑で逮捕された男は同日、さいたま市大宮区のアパートの一室から出てきたところを捜査員に確保された。

 県警が当時の状況や経緯を詳しく調べている。

■3日前も複数人が話し込む

 現場は、埼玉高速鉄道(SR)南鳩ケ谷駅から南東に約1・5キロ離れた住宅街にある集合住宅。事件発生後に周辺に規制線が張られ、住宅敷地内の階段や廊下では警察官の入念な鑑識活動が行われていた。

 現場の集合住宅に住む男性(26)によると、この集合住宅1階にはアジアの食品を取り扱う店舗があり、店舗や住宅敷地内に東南アジア系の外国人と思われる人が集まっている時もあるという。「事件3日前の正午ごろにも複数人が話し込んでいるのを見た。これまでトラブルのような事態はなかったが、まさか自分が住んでいるところで事件が起きるとは思わなかった」と驚きを隠せない様子だった。
 

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