元上尾市議、偽造書類で補助金だまし取ろうとした疑い 地検が在宅起訴 以前も運営する事業所に不正
2021/04/01/00:00
偽造の領収書を県に提出して障害者福祉施設に交付される補助金をだまし取ろうとしたなどとして、さいたま地検は31日までに、有印私文書偽造・同行使と詐欺未遂の罪で、特定非営利活動法人「すまいるネット」の代表を務めていた谷沢公彦元上尾市議(56)を、さいたま地裁に在宅起訴した。起訴は2月4日と3月31日付。
起訴状などによると、谷沢被告は運営していた就労継続支援事業所「すまいるラボ」(埼玉県上尾市瓦葺)について、県から指定障害者福祉サービス事業所の指定を受けようと考え、2016年2月、偽造の協力医療機関協定書を作成して県に提出。さらに18年2月、技術指導員支援制度補助金名目で金銭をだまし取ろうと考え、偽造の領収書計28通の写しなどを県に提出し、現金36万1044円をだまし取ろうとしたとされる。地検は認否を明らかにしていない。
すまいるラボは16年3月に指定を受けたが、県は18年5月、調査の結果、不正があったとして、指定を取り消していた。県によると、谷沢被告は協定書提出の際、印鑑などを偽造して医師の許可を得ていなかった。補助金の交付に当たって県が実施した監査では、「(書類は)本物」などと虚偽の説明をしたという。
県から告訴を受けた県警は昨年12月、谷沢被告の自宅を家宅捜索するなどして捜査を進め、今年1月に詐欺未遂容疑などで書類送検していた。
谷沢被告は03年12月の上尾市議選で当時の民主党から立候補して初当選。再選を目指した4年後の市議選では落選していた。