埼玉新聞

 

春日部駅の高架化へ着工、渋滞解消を狙う ホームは4面8線に拡充 大規模整備構想の大宮駅と連携を

  • 春日部駅高架化事業着工を祝う関係者=30日午後、同市南1丁目の「ふれあいキューブ」

 春日部駅高架化に向けた事業が始まり、埼玉県春日部市などは30日、市内で「駅付近連続立体交差事業着工記念式典」を開いた。

 同駅高架化事業は東武スカイツリーライン、アーバンパークラインの2路線計2・9キロ区間を春日部駅付近で高架化する事業。周辺地域の踏切10カ所をなくし、交通渋滞の解消や駅東西口の往来が向上することで市街地活性化を図る。東武鉄道は駅ホームを現在の3面7線から4面8線に拡充、2路線上下線で追い越しができる複線を設け、輸送力の増強を見込む。

 2019年の都市計画決定を経て、県と東武鉄道が昨年事業費約650億円の内訳や事業の分担などについて協定を締結した。用地買収や周辺建物の撤去工事が開始され事業は31年の完成を目指している。

 市、促進期成同盟会が開催したこの日の式典では、石川良三市長が「市の悲願だった本事業の着工を祝うことができ感無量の思い。事業とまちづくりを早期に完成させることが重要だ」、大野元裕知事が「地域の皆さまの熱意が実った。県東部の発展、輸送力の増強につながれば」とそれぞれあいさつした。

 式典では市中心市街地まちづくり審議会の会長を務めた埼玉大学久保田尚教授が基調講演した。歩行者を優先し「人中心」の街路空間を整備した国内外の事例を紹介。大規模な整備が構想される大宮駅との連携を視野に「県中央部や西部、新幹線を通じた東日本、北日本とのアクセスを含め、春日部のまちづくりを大きく考えてほしい」と話した。

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