埼玉新聞

 

千人以上の笑顔集め1位に 埼玉・本庄市が作成のポスター、五輪ホストタウンサミットで受賞 特別賞も

  • 「ホストタウンサミット2021」のポスターコンテスト第1位と優良情報発信賞特別賞を受賞した本庄市オリンピック・パラリンピック支援室の職員

 今夏の東京五輪・パラリンピックでトルコのホストタウンになっている埼玉県の本庄市が作成したポスターが、ホストタウン登録された自治体が事業成果を発表する「ホストタウンサミット2021」のポスターコンテストで第1位に輝いた。ポスターには市民と同国民合わせて千人以上の笑顔の写真を掲載。新型コロナウイルス感染拡大の影響で直接の交流が難しい中、笑顔の写真が両者をつなぐ懸け橋となっている。

 ポスターは、大量の画像を合わせて一つの作品を作る「ギャザリングアート」の技法を採用。市内の商店街やスポーツイベント、小学校に依頼し、半年近くかけて写真を集めたほか、大使館経由でトルコ国民にも参加を呼び掛けた。遠く離れた国を思い、会うことができる日まで笑顔を絶やさずにいようという気持ちを込めて「いつか会えるその日まで」とメッセージを添えた。

 コンテストには全国各地から117点が出品。一般投票の中で最も高い評価を得た。そのほか、広報紙「広報ほんじょう」内でコラムを20回以上掲載したり、SNSを活用してトルコ情報を発信した点などが評価され、「優良情報発信賞特別賞」も受賞。市オリンピック・パラリンピック支援室の佐藤勇斗主任は「撮影依頼をする中でも、本庄市がトルコのホストタウンだと知ってくれている人が多くいた。継続した情報発信と、市民のトルコに対する気持ちが成果に表れた」と喜ぶ。

 市がトルコのホストタウンに登録されたのは2018年12月。当初は5人制サッカー(ブラインドサッカー)代表の事前キャンプ地を予定していたが、チームが予選で敗退したため、パラ競技のテコンドー選手団を受け入れることになった。

 登録を受け、応援動画の作成や小学生による手紙の交流などを実施したものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響で大会が1年延期。選手派遣を伴う交流イベントなどが中止になった。そこで企画したのが、ポスター作成だった。同室の岩崎かおる室長補佐は「何らかの形で本庄市とトルコをつなぐことはできないか。コロナ禍だからこそできる事業で、トルコを応援する気持ちを表現したかった」と話す。

 コロナの影響で、大会では海外からの観客を受け入れることができず、トルコ国民が会場で選手たちを応援することはできない。「ホストタウンとして交流してきた自治体が一番のサポーターになり、選手の活躍を後押ししたい。トルコのパラテコンドー選手団がメダリストとして輝くことを楽しみにしている」。岩崎室長補佐は力を込めた。

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