関東初!埼玉のミャンマー寺院に「パゴダ」建立、高さ9メートルで直径7メートルの建物 神聖で心が安らぐミャンマー人「仕事の疲れ90%なくなる」 建設費は計7千万円、寄付や募金で賄う 「パゴダ」の内部は
ミャンマーで釈迦(しゃか)の遺骨などを安置する仏塔として知られる「パゴダ」が和光市新倉2丁目のミャンマー寺院内に建立され、4月末に落成式が行われた。ミャンマー人にとってパゴダは釈迦が住む神聖で心が安らぐ場所とされる。式典には僧侶など在日のミャンマー人ら数百人が参加し、民族衣装などをまとった信者らが寺院内を練り歩き、パゴダに飾り物などを奉納した。
同寺院によると、日本国内のパゴダは北九州市や名古屋市にあるが、首都圏では初の建立という。
完成したパゴダはコンクリート造りの高さ約9メートル、直径約7メートルの建物。内部は空洞で、中央に仏像4体と壁面に釈迦の生誕から死去するまでを表したレリーフ4枚を掲示。いずれも大理石で作られている。レリーフを背にした信者が仏像の前に座り、礼拝や瞑想(めいそう)ができる。
設計や許可手続きなどを含めて建設に約3年かかり、今年4月に完成。仏像やレリーフ、建物の装飾品などは全てミャンマーから取り寄せた。建設費は計約7千万円に上り、同寺院への寄付や募金などで賄っている。
ミャンマー人にとっては、パゴダでお経を読んだり、僧侶の説教を聞いたりできる心が安らぐ場所。礼拝は四六時中できるが、食べ物などの供え物は午前中だけに限られている。ミャンマー人の信者らは家族の誕生日や親が亡くなった時などにパゴダを訪れ、礼拝するという。
7年前に来日し、建設会社で働いている横浜市のティン・ゾウさん(29)は「仕事をすると疲れが残り、神奈川県に寺院はないため、週末に毎回、この寺院を訪れるんです。僧侶の説教を聞いたり、礼拝することで90%は疲れがなくなり、パゴダはうれしいことです」と喜んでいる。
同寺院の僧侶アシン・オバサさん(51)は日本の仏教の勉強や日本でミャンマーの仏教を布教するため、2009年に来日。当初、東京都板橋区の民家で寺院を開設したが、狭隘(きょうあい)だったため、19年に現在の和光市の平屋建て民家に転居。寺院に改修し、修行を重ねている。
オバサさんは「ミャンマー人はパゴダを見ただけでストレスが解消される人もいる。パゴダには功徳があるので、ミャンマー人だけでなく、関係する日本人にもぜひ来てほしい」と呼びかけている。