<熊谷小4ひき逃げ>事件なければ今22歳…母親、情報提供を呼び掛け「どんな情報でも構わない」
2021/04/07/00:00
6日から始まった春の全国交通安全運動に合わせ、埼玉県警と熊谷市は同日、JR熊谷駅で啓発活動を行った。ビラ配りには2009年に同市で発生し、小学4年の小関孝徳君=当時(10)=が死亡した未解決のひき逃げ事件の遺族も参加。改めて情報提供を呼び掛けた。
「ささいな情報でもいいので協力をお願いします」。孝徳君の母親は、同駅の利用者らに情報提供を呼び掛けた。事故がなければ3日に22歳の誕生日を迎えたはずだった。「息子と同世代の人たちにも関心を持ってもらい、家族間やSNSなどで広めてもらえたら」と学生らにもチラシを直接手渡した。
昨年2月以降は新型コロナウイルスの影響で活動は自粛。ビラ配りは命日の9月30日以来、半年ぶりとなった。
母親は「学生でも事故を知っていると話してくれる人がいて良かった。情報提供の数は減少しているが、どんな情報でも構わないので、引き続き呼び掛けていきたい」と話した。
数日前には、警察庁などに対し、ひき逃げ事件の適用罪名を捜査段階から危険運転致死傷罪で捜査することや、今後、時効を迎える同様の事件についても罪名変更の対応がなされるように求めた嘆願書を提出。時効撤廃を訴えるインターネットでの署名活動も続けている。
事故は09年9月30日午後6時50分ごろ、熊谷市本石の市道で発生。孝徳君は書道教室からの帰宅途中に車にはねられ死亡した。
16年には道交法違反(ひき逃げ)罪の時効が成立。自動車運転過失致死罪(当時)の時効が迫っていた19年9月には、適用罪名が同罪から危険運転致死罪(同)に変更され、時効は10年延長された。